| 言葉の散歩道 |
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ことばの散歩道 「言葉は人生をつくる」 北原白秋の詩に「薔薇ノ木ニ 薔薇ノ花サク 何ゴトノ不思議ナケレド」とある。いい詩だなと思う。「何ゴトノ不思議ナケレド」とあるように、そのことがまさに不思議だ。まわりをちょっと注意して見たら、人知を越えた不思議がいっぱいある。私たちは、このように、身の回りにあるこれらの不思議に、どれ程感動して生きているだろうか。たとえば、赤ん坊が大きくなっていくこととか、誰にも見られなくても、力一杯咲いている野の花とか。雨のあとの苔の美しさとか。当たり前のことにも感動できる心が、いい人生を築いていくのではないかと思う。 川端康成の小説「伊豆の踊り子」の中に、踊り子が一言、「いい人はいいね」という場面がある。いい人っていうのは、いい言葉をいつも言える人だと思う。いい言葉をいつも聞いていたら、自分もいい人になれそうな気がする。 反対に、悪い言葉や怒りの言葉を、人や自分自身に言い続けていれば、お互いの心はひどく傷つくだろう。 人間は大体、天動説型で生きている。すべて自分を中心に世界が動いているわけだ。自分を育て、自分を確立させていくことは、大事なことだ。ただ、自分に愛着を持ち過ぎると、ついつい我を張ってしまい、相手に激しい言葉を出してしまう結果になる。「穏やかな心は体のいのち。激しい思いは骨をむしばむ」と聖書にある。 人生の生き方には、もうひとつ、地動説型というのがある。自分がすべての中心であるという天動説型に対して、自分のまわりを思いやり、人に、自然に、神(仏)にやさしい世界を中心として生きるライフスタイルだ。 金子みすゞの「大漁」という詩がある。「朝焼け小焼けだ 大漁だ 大場鰯の大漁だ 浜は祭りのようだけど 海のなかでは 何万の 鰯のとむらいするだろう」 天動説型の生き方からは、このような発想は生まれないだろう。いい言葉は、相手の気持ちを思いやる想像力(イマジネーション)を育てる。まさしく想像力は愛である。いい言葉をたくさん聞いて、いい言葉をどんどん話して、いい言葉で考えていけば、いい人生が送れる。「ことばにいのちがあった。このいのちは人の光であった」(聖書) ではまたシャローム(Peace be with you in Jesus) カルガリー日系人福音教会牧師 谷口洋 |