| 言葉の散歩道 |
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ことばの散歩道 子育ては親育て 小説「草枕」の書き出しは名文である。「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」 文豪、漱石は近代日本の悩みを我が身に背負って、これまでの古い日本と、これからの西洋的なあり方との相克に苦しんだ人です。それが冒頭の文章によく表されています。この文章は、そのまま一般的な人間関係にもあてはまります。住みにくい人の世を作り出しているのは、他の誰でもない、あなたや私のような人であるからです。 ドロシー・ロー・ノルト女史が書いた「子供たちは、こうして生き方を学ぶ」という本の中の22行の散文詩は、子育て中の親はもちろん、個人的にも、人間関係を考えさせる何かを含みもつ言葉です。第1行は「批判ばかり受けて育った子は、人を非難ばかりするようになる」というものです。批判というのは、言葉だけではなく、声の調子や、ちょっとした動作にも表れるものです。同じことを言うにしても、「時間がないよ」と普通に言う親と、「遅いったら、何回言ったらわかるの。このグズ!」と憎々しげに言う親とでは、子供の受け取り方はまったく違います。言葉の焦点を「時間」に置いて客観的に判断するか、焦点を「子供」に置いて感情的に批判するかは、親の選択なわけです。私たちはよく考えないで、つい言葉が先に出てしまいがちです。 批判ばかり受けて育った子供は、セルフイメージが低く、どこかに失望や負い目があります。その本当の自分を見られたくないために、虚勢を張り、親であれば一番身近な子供に当たります。兄弟であれば、自分より下の弟や妹に、「このドジ!」とか言って、あたかも自分の方が上であるかのように思い込み、安心を作っているのです。 人を非難攻撃する強さがないような場合は、いつも人が自分のことを良く思っていないと感じ、まわりにへつらって自意識過剰になります。どちらも健全とはいえません。それでは、どうしたらよいのでしょう。心理学の言葉に「ピグマリオン効果」というのがあるそうです。映画になった「マイ・フェア・レディ」の原作から取ったと聞いています。ぜひ、なつかしのオードリー・ヘプバーン主演の同名ミュージカルのDVDをご覧ください。田舎物のあばずれ娘が、いつも淑女のように扱われているうちに見事に変わっていきます。まさしく「人はそのように扱うとそのようになる」ということです。 最後に聖書の言葉から一言、「憎しみは争いをかき立て、愛は人のあやまちをおおう。自分の友人にへつらう者は、自分の足もとにワナを張る」それでは、シャローム(Peace be with you in Jesus) カルガリー日系人福音教会牧師 谷口洋一
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